2022/06/17
国産の木材を使うということ(1)
こんにちは!
広報の柳橋です。
今日は国産の木材について
少しお話をしたいと思います。
皆さんは国産の木材には
どんなイメージがありますか?
贅沢品?
コストがかかりそう?
輸入材の方が安くて良いものが手に入りそう?
今回はいつもと違った視点で
国産の木材についてお話ししたいと思います。
日本の森林事情
日本は国土の3分の2が森林ということは
知っている方も多いかと思います。
そして、森林資源は毎年1億立方メートル増加しています。
そのほとんどが人の手によって植林された森林(=人工林)で、
主に針葉樹(スギ・ヒノキ・カラマツ等)となります。
木材の自給率
つまり、日本の森林は増えているのに
あまり自給率が高くないのが現状です。
1955年には9.5割以上が国産だったのですが、
今は建材だけでいうと約7割が輸入材です。
現在、山で見られる樹々の多くは
戦後に植林されて5〜60年の年月をかけて育ったものです。
しかし、それらの木が成長する前に
海外から安い輸入材が入ってきてしまいました。
そしてやればやるほど赤字になる林業の担い手の減少。
問題は山積みですね。
さて、木材の自給率が低いとどのようなことが起きるでしょうか?
記憶に新しいのは米国の木材価格高騰によるウッドショックですね。
2020年の4月からの1年間で、価格が約5倍になりました。
5倍ですよ、5倍!
いつも98円の小松菜が498円。
100グラム198円の豚バラが999円。
いかがでしょうか?
家づくりへの敷居がぐっと高く感じてしまいますよね・・・
みなさんご想像の通り、
国内外から木材を輸入するハウスメーカーなどは
建築中止や延期を余儀なくされました。
(ちなみに、創家は材木屋併設していますので
ウッドショックの影響は受けませんでした^^)
ちなみに、わたしの娘が通う幼稚園も
ウッドショックの影響で改築が2年ほど延期になっています。
ピカピカの幼稚園に通いたかったね・・・苦笑
日本政府の対策
日本政府としての対策も もちろん行っています。
2005年から政府では木づかい運動という政策を推進しています。
また、2025年には木材自給率を50%にするという目標も掲げています。
そして、令和2年の木材自給率は
48年ぶりに40%台に回復とあります。
ただこれもカラクリが・・・。
日本全体の木材の需給量は減少しているのに
燃料材(木質ペレットやヤシ殻)の輸入は増加しているという点です・・・
カーボンニュートラルと森林
カーボンニュートラル
=炭素排出をゼロにしていくという
取り組みはご存知ですか?
これは、
『木材を燃やしたときに出る二酸化炭素は
木材が成長段階で吸収した二酸化炭素の量と同じ。
つまり、全体総量は変化しない
(=木を燃やしても二酸化炭素の排出はゼロということ)とする』
という考え方です。
自給率増加の主な要因は燃料材。
そして燃料材は『皆伐(かいばつ)』が主な方法です。
(ちなみに2020年、建材等の用途に限ると
木材自給率は35.8%です。
あまり変わっていませんね・・・笑)
燃料材?なんか環境に良さそう?
と思った方もいるかもしれません。
わたしもここからは勉強中の範囲なので
トピックスに触れるだけにさせていただきますが、
一般的な杉やヒノキでは
木を切る年齢は4〜50年。
木を育てる過程で間引きする、
いわゆる間伐(かんばつ)は2〜30年。
燃料材の調達のために森林を皆伐したのでは
どんなに理屈を並べられたとしても
森林のサイクルを無視した使い方としか
いいようがありません。
さらに、木材の燃料利用は(木質バイオマス発電等)
エネルギー利用には効率の低さや
発電コストの高さなど
まだまだ課題があるようです。
さて、長くなりましたので
続きはまた次回とさせていただきます。
次回は間伐と皆伐の違い、
森林のサイクルについて
詳しくお話ししていきますね。
ではまた!