2021/12/16
[天然乾燥]の柱を使う理由 〜強度と防蟻性能編〜
こんにちは。宮崎です。
前々回より柱の乾燥手法とその影響について書かせていただいてます(*’▽’*)✨
(長くなるので小分けにしております💦 最初の記事はこちらから)
創家では天然乾燥の柱(国産桧)を標準仕様としていますので、
その理由を段階的にご紹介し、自然の木の良さを伝えていきたいと思っていますm(_ _)m
では、また下の表に沿って、見ていきたいと思います(=´∀`)/
今回は、天然乾燥と人工乾燥の木材の、強度と防蟻性能についてですm(_ _)m
乾燥方法によって、強度が変わる!?
前回のお話しで、こんな紹介をいたしました。
・天然乾燥は木材表面に割れが生じます。無造作割れを防ぐために、『背割り』という切り込みを入れます(弊社では浅く4面にスリットを入れます)。
・一方、人工高温乾燥では表面割れではなく内部割れが起こります。高温で一気に乾燥させるため、木の持つ油分ごと乾き、内部の割れが生じやすくなります。
さて、今回は双方の乾燥が、強度にどんな影響があるのかに触れていきたいと思います。
まず、背割りをした天然乾燥材ですが、若干の強度低下はあるものの、
体力上問題のない強度を保った仕上がりとなります。
桧の天然材は、伐採してから200年は強度が上がり続けるという性質がありますから、スリットを入れてでも、天然乾燥で自然の状態を保つことに意味があるのだと思います。
そして高温乾燥の桧は、内部から割れることで、せん断力が低下するというデータがあります。杉にいたっては、曲げ強度、圧縮強度、めり込み強度なども低下するそうです。
一見すると表面は綺麗に見えるのに、中で割れることで強度が低下してしまうのは、ちょっと考えてしまいますね。
また、木材の芯に近い部分は赤太と言って、油分を持ち、耐久性に優れ、粘りのあるしなやかな強さを持っています。
天然乾燥ではじっくりと時間をかけて乾かすため、この赤太のもつ油分を損なうことなく保つことができ、粘り性のある強さを保つ材料に仕上げることができます。
高温乾燥の場合は、高温で一気に乾かすため、油分が飛んでしまい、赤太部分がスカスカになり、脆弱な仕上がりとなってしまいます。
削った木屑を見てもこの通り⇩
左が天然乾燥で、右が高温乾燥です。同じように削っても高温乾燥の方が細かく砕けています。
そして、赤太に含まれる油分はシロアリが嫌う成分のため、天然乾燥で仕上げた材料の方が防蟻効果が高いと言えます。
いかがでしょうか?
無垢材と一言で言っても、比較してみると乾燥の方法で様々な違いがでてきますね。
このシリーズ、次回で一旦最後になりますが、次回は色や香りなどの比較をご紹介したいと思います。
では(*^▽^*)