2022/02/04
[プロローグ]家づくりのポイント
はじめまして
弊社で広報を担当しております、柳橋(やなぎばし)と申します。
個人的なお話になりますが、少し自己紹介をさせていただきます。
学生時代は日本建築史を専攻していました。日本建築の歴史、ですね。
京都や金沢などで見られる昔ながらの建物が好きで
「熈代勝覧(きだいしょうらん)」という絵に描かれた日本の街並みについて研究をしていました。
また、自身が花粉やハウスダストなどのアレルギー持ちということもあり、
卒業後はおのずと無垢材や塗り壁といった自然素材に惹かれ、
そういった建築資材(=建材)を扱う工務店や建築事務所を渡り歩いてきました。
さて、みなさんが家づくりと聞いてまず初めに思い浮かぶのは、住宅展示場の見学やハウスメーカーでしょうか。
家は人生で一番高い買い物と言われています。そんな中、無数にある建築会社から選ぼうとしても何を基準にしたら良いのか分からなくなってしまいますよね。
そうです。
大変なんです、家づくりって。
そこで、たくさんの問い合わせを経て、ここ創家のホームページに辿り着いてくださったみなさまにお伝えしたいことがあります。
日本の街並みは美しいか
日本は戦後、どこへ行っても同じような顔(外装材や屋根材)が並ぶ画一的な街並みになりました。
時代は高度経済成長期。大量の住宅供給が必要であったことを考えれば無理もありません。
「質より量」を優先すれば、同じ形の家を、新建材と呼ばれるプリント合板やビニールクロス、ビニールタイルといった素材で作る方が効率的といえます。
けれども、今はもうそんな時代ではありません。
なのに、このような新興住宅街は各地に多くみられます。
24時間換気システムとシックハウス症候群
少し固い話になりますが、改正建築基準法が施行された2003年7月以降、全ての建造物に24時間換気システムを設置することが原則として義務付けられました。
みなさんが住んでいる家、アパートやマンションには換気口が付いていますか?
これは主に「シックハウス症候群」を予防するためのものです。
(詳しく知りたい方はこちらをご覧ください→https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/jutakukentiku_house_tk_000043.html)
「シックハウス症候群」とは、建材や家具に使われている接着剤や防腐剤から発生する化学物質が体内でアレルギー反応を起こし、頭痛や喉の痛みなどの症状を引き起こすというものです。
1980年代には既に「シックハウス症候群」と思われる事例があったそうで、
特に冷暖房効率を良くするために(省エネルギー)高気密住宅が増えたことに起因しています。
よくよく考えてみると変な法律だと思いませんか?
効率的に建てることを優先するあまり、人の命や財産を守るためのはずの家が人の健康を害し、それを防ぐために家を24時間換気する法律ができる。
なぜ、素材自体を見直そうとしなかったのでしょうか。(Fフォースターなどの基準はありますが…今回は割愛しますね。)
なぜ、新しい家にわざわざ穴を開けて空気を循環させる必要があったのでしょうか。
本物の家づくり
さて、固い話が続きましたので家のお話に戻りますね。
効率重視でつくられた画一的な街並み。
気密性の高い住宅と24時間換気システム。
日本建築を極めてきた私たちにとっては、
それらの事実が少し悲しくもあるのです。
日本の街並みはもっとかっこよかった。
大袈裟に聞こえるかもしれませんが、
それらに気付く人が増えれば増えるほど
日本の街並みはもっと美しくなると私は信じています。
では最後に、あなたが今まで泊まったことのある旅館を思い浮かべてみてください。
(できるなら一番高級だった旅館を!)
案内された部屋の扉を開け、畳が敷かれた空間に入るとふと落ち着くのは何故だろう?
いつもより深い呼吸をしたくなったり、布団に寝転んで伸びをしたくなるのは何故だろう?
ここに私たちが素材にこだわる理由が隠されています。
さいごに
私たちは三重県の小さな工務店ですが、コツコツと積み重ねてきた技術と経験があります。
品質や素材の理解を深め、自分にとって本当に心地よいものを選択するにはおそらく何年もかかってしまいます。プロの私たちには常識でも、これから家を建てるみなさんには知らない事がまだあるかもしれません。
このブログは、そんな私たちの家づくりにかけるこだわりをひとつひとつご紹介しながら、皆様の家づくりのお手伝いをしていけたらと思い、開設されました。
前置きが長くなりました。
早速、次回から私たちの家づくりへのこだわりをご紹介していきますね。
わたしたちと、美しく、心地よい
「本物の家づくり」を楽しみましょう!